電子紙ですばやく書き換えろ
電子ペーパーという言葉を聴いたことがあるだろうか?
電子ペーパーの発明は1970年代というからさすがに驚く。
(まーでもそれいったらインターネットだって1960年代に
原型が開発されていたのだけれども)
米国ゼロックス社のパロアルト研究所に所属していたニック・シェリドンが
最初の開発を行ったのだが、電子ペーパーの原理はかなり単純である。
(というよりこういうものは単純でないと使い勝手がよくない)
半分が白、半分が黒の半球があり、半球の一部は静電気を帯びている。
書き換えの際には電界をかけ、この半球を回転させる。以上。
この方式をマイクロカプセル方式という。
近年では電子ペーパーの方式も複数出現してきた。
マイクロカプセル以外に電子粉流体方式、液晶方式などさまざまな
方式があり、色も白黒だけではなくカラーも出現している。
…いやその前に安価に実用化してよ
という気もするけど。
マイクロカプセル方式は比較的紙に近い性質を持っているといえる。
紙と同様、光の反射によって表示を認識できる。米国イーインク社が
この方式の製品を実用化し、ソニーや日立などもこの製品を採用。
イーインク社は、さらに専用ペンを用いて紙の上に上書き
するという
本当の紙感覚の電子ペーパーを開発中である。
液晶方式はもうちょっと複雑で、特定の光のみを反射する特殊な
液晶
を用いているとのこと。この方式の液晶を開発しているのは
富士通、富士通フロンテックなどである。
複数の液晶を重ねて多様な色
を出せる。
ブリジストンは粒子と液体の中間的な性質を持つ「電子粉流体」を
開発し、これに電荷をかけることで書き換えを行えるという。
この方式は非常に書き換えが高速である。
いずれの方式の電子ペーパーにせよ、電気を食わない、曲げられる
などのメリットは他に変えがたいものがある。
近年、電子ブックとか電子書籍という言葉も増えてきたのだけれど、
実際に使われているかというと微妙
である。
その最大の理由は紙の特性にあると私は思うんですよ。
本だと重要なところに線を引くこともできるし、ばらして適当な分量
持ち運びすることもできる。大量にあるとかさばるという欠点も
あるけれど、手軽さではまだまだパソコンは紙に勝てない。
電子ペーパーはかなり応用性が高い技術だと思う。
例えば文庫本サイズの電子ペーパーを束ねて電子文庫本(書き換え可能)
を作ってみたり、デス
電子ノートとか電子新聞、果ては電子チラシ
なんてのも作られることになるのかもしれない。
USBフラッシュメモリなんかでデータだけ差し替えればいいということに
なるのだろうか?そうなると電子データはどこで買うのか
…本屋とか
でUSB指して書き換えるという光景が当たり前になるのか、はたまた
ダウンロードして購入するのが普通になるのか。
新聞配達の人がUSBメモリ配達する時代…でも考えようによったら
その方が配達が楽…いや多分ダウンロード販売になると思うけど。
電子ペーパーという方式に限らなければ、電子繊維なんてのも
考えられるかもしれない。
模様が電気的に自在に書き換えできる服、なんてのが開発されれば
ファッションにも一大革命が巻き起こるんじゃないだろうか?
センスがないとか言われたら適当にセンスがいい人の服を模様をコピー。
…え、でも似合う似合わない
があるだろって…それをいわれたら…
とにかく20年後には、流行の柄をネットでダウンロードするなんて
こともありえないとはいいきれない。
流行の音楽や映画に限らず、本も服の柄までもダウンロード…
いずれにしろわれわれは銀色の未来人っぽい衣服を着る必要は
なさそうでよかった。ていうかあれダサくない?